最も暗く深き世界-傲慢界 首都・パンデモニウム城下町 性質・傲慢
──「最も美しく、最も息苦しい。魔界の底にある王の檻」
七大魔界はすり鉢状で構成され、その最深部・七層目が傲慢界。
魔導太陽の光が一切届かず、永遠の夜が支配する世界。
闇が濃すぎて風すら音を失う“静寂の圧力”が常に漂う。
この世界にある都市はパンデモニウム城下町ただ一つ。
他六層は「下界」、住民は「下等」と見下す魔界のエリート貴族圏。
住民は例外なくドレスコード徹底、礼服・ドレス着用が義務。
街は黒大理石+金の魔導ラインが張り巡らされ、退廃的で幻想的な夜景に満ちる。
唯一の広場「虚栄の噴水」は幻覚水で自我を映し出す“お披露目の舞台”。
自信満々に歩くと噴水が高く噴き上がるという“性格に反応する都市”。
建物はどこも会員制、バーもクラブも紹介制の極度の階級社会。
監視使徒(ヴィジル)と呼ばれる仮面の貴族が街を巡回。
ドレスコード違反や無作法は即アウト、静かに排除される。
観光名所は存在しないが、魔王の居城パンデモニウムだけは大人気。
パンデモは黒曜石の宮殿、逆回転時計塔が空間構造を狂わせる呪的建築。
天井はなく、空の代わりに“無数の視線”がある天蓋構造。
玉座は二種類。表向きの「黒の玉座」と、誰にも見せぬ真心臓「白の玉座」。
王の居城でありながら、ここに“居場所”を持つ者は誰一人いない。
文化の核心は「虚飾と美学」――本音を語る者はいない、語れない。
“美しくあるために自我を削る”という矛盾が存在する、魔界で最も息苦しく最も美しい闇。
首都・パンデモニウム城下町
傲慢界は狭いので首都以外の街は存在せず、
パンデモニウム城下町は魔王の居城がある街というだけあって栄えており、つねに賑わっている。
この魔界には太陽は無いので昼夜の区別がなく、常に黄色い照明が街を照らす。
暖色系の色と真っ黒い空が合わさり陰鬱で退廃的だが、同時に幻想的な雰囲気も醸し出している。
大通りのバーやクラブは殆どが会員制、魔界のエリートたちのため
最高位のもてなしが約束されている。
なお住民は全員エリートの為ドレスコードが厳しく、街中でも出歩く際は礼服やドレス、
スーツなどの着用が義務付けられる。これは他の六層の住民を見下す意味合いも含んでいる。
パンデモニウム(万魔殿)
魔界最下層・傲慢界の中心にそびえる、万魔の王城パンデモニウム。
名はラテン語で「全ての悪魔の居場所」だが、実際に居場所がある者は誰一人いない。
黒曜石のような漆黒を基調に、銀と金の縁取りが夜の中で残酷に光る。
建物の表面すべてが呪文文字・祝詞・詛語で構成されたバロック模様。
遠目では芸術、近づけば呪いが囁く“美と呪詛のミクスチャー建築”。
城壁は無音。風すら消え、存在の重圧だけが世界を満たす。
内部に足を踏み入れるだけで魔力が沈み、魂の輪郭が薄れる感覚が走る。
中央塔は上空へ向けて螺旋状に昇る“逆回転の時計塔”。
これは「時を止めたまま進む」「終わりが訪れない」ことの象徴。
王城でありながら“生活感”は完全にゼロ。家具すら儀式用の配置に固定。
廊下は不自然なほど長く、曲がり角には鏡。鏡には“本当の顔”が映らない。
城に入る者は本能的に沈黙し、本音を語れなくなる“心理バリア”が働く。
その完璧な威厳のせいで、この空間は誰にとっても“居場所にならない城”。
玉座は二種類――公用の「黒の玉座」、誰にも見せぬ真心臓「白の玉座」。
黒の玉座は荘厳、白の玉座は静謐。どちらも“王以外は座る資格がない”。
巡回している仮面の使徒(ヴィジル)が沈黙で秩序を維持する。
城下町の貴族たちはここを“誇り”と同時に“恐怖”として崇めている。
パンデモニウムは魔界で最も美しく、最も息苦しい――美の暴君の象徴。
ここに立つ者は誰もが悟る。「この城は、王をも閉じ込める檻だ」と。
オロバス(先代・颶風王)エピソード
※理解できない?仕様です
傲慢界の歴史で唯一、パンデモニウムを恐れなかった魔王が先代・颶風王オロバス。
パンデモニウムは本来、王すら沈黙する“場の圧”があるが、彼にはまったく効かなかった。
謁見中に「お前の声が重い」と言って大使を突風で吹き飛ばすのは日常。
高位外交官5名が同時に天井へ“グサッ”と刺さり、ステンドグラスごと崩れた事件は有名。
その場で怒られも咎められもせず、逆に城側が謝りに行ったという前代未聞の記録。
玉座裏にある巨大換気魔方陣は、彼の癇癪が原因で追加設置されたもの。
破壊しておきながら謝罪ゼロ、注意すると逆ギレ、まさに暴君。
王城のステンドグラス破損は年間十数回、修復班は常に待機していた。
5/14の落下照明事件では執事が注意したところ、逆ギレして嵐が発生。
謁見室の天井が崩れかけたが、ベリアルが“苦笑いでスルー”して収束させた伝説の一件。
時を司る逆時計塔にも因縁深く「時がなっとらん」と切り捨てた記録が残る。
周囲からは“暴君”と恐れられつつも、風属性魔王としての実力は桁違いだった。
その力はパンデモニウムの呪的構造すら押し返すほど異常。
結果として、パンデモニウム史上もっとも修繕費を食い尽くした魔王となる。
だが部下や市民には妙に優しく、理不尽な暴力は“風の機嫌”基準でしか発動しない。
颶風王オロバス――美の暴君揃いの傲慢界で。
唯一“自然現象レベルの暴君”として語られる存在。
傲慢──魔王の血が集う魔界
傲慢界は七大魔界の最深層、魔王の直系が代々住まう王家領である。
魔界における“血統”の概念が最も濃く出る場所で、
魔王の血=絶対的な正統性とされる。
そのためここには正統王家の末裔・元王族・側室筋、
そして彼らに連なる“ロイヤル血族”が集中している。
世界で最も静かで、最も息苦しく「血」が空気を支配する稀有な魔界。
主人公レイスの父・アンフィスもこの地に生まれた悪魔王の息子=第一王子。
つまりレイス自身も魔王家の直系の血筋を持つ存在。
普段は完全に隠されているが、傲慢界に足を踏み入れた瞬間、
周囲の視線がそれを“本能で察する”レベルで濃厚になる。
レイス微かに漏れる“王族のオーラ”は、界隈では誤魔化しようがない。
そのせいで、傲慢界の住人はレイスを“下界の放浪児”として扱わない。
逆に「王子が帰ってきた」と受け止める者も多い、ややこしい世界。
王族ゆえにレイスの存在は常に政治に絡むが、
本人はそれをまったく自覚していない。
傲慢界の住人にとって、レイスは“異端と正統性の同居した危険物”。
敵対派閥は彼を脅威とみなし、擁護派閥は彼を未来の鍵として扱う。
結果、傲慢界ではレイスの物語が最も“血と運命”に寄り添う世界となる。
傲慢界の食文化まとめ:「驕りと虚飾と美麗さと」
全飲食店はフレンチ系統の高級コース料理のみ、庶民的メニューは存在しない。
食材は魔界屈指の一級品だが“食べるため”ではなく“見せるため”に作られる。
皿は黒大理石、盛り付けは金細工。ひと皿ごとが宝飾のように輝く。
味は繊細で極上……だが「なぜか舌に残らない」という共通点がある。
残るのは“食べたという経験”だけ。まるで幻を味わったような空虚さがある。
料理は美食ではなく、自己演出の道具。
「この店で食べた」「この皿を前にした」というステータスが最大の価値。
味よりも、“写真映え”と“会話映え”が文化の中心。
店はすべて完全予約制、紹介状がなければ扉すら開かない。
食器は細工が細かすぎて、洗浄担当が泣いている(が顔には出さない)。
ワインも香り重視で、酔いはほぼ回らない。あくまで優雅さの演出用。
デザートは芸術作品のように美しいが、甘さよりも気品の余韻が優先される。
食後感は満腹でも満足でもなく「ああ、自分は傲慢界にいる」という自己確認。
店員は無表情で完璧な動作。客も本音を語らず社交辞令だけが飛ぶ。
食べながら本音を漏らす者は即「階級落ち」と噂される恐怖社会。
この世界で最上級の褒め言葉は「……悪くなかった」。
傲慢界の料理は、“味”ではなく存在意義そのものが虚飾でできている。