大魔王峠

原宿-もう“カワイイ”だけじゃ生き残れない

竹下通りの残骸を、黒いパーカーの男が闊歩する。足元には潰れたロリータ傘、ガラクタに埋もれたぬいぐるみたち。「やっぱりKAWAIIは、生きてる証拠だな~」キガは目を細めて、キティを両手でむぎゅっと抱きしめた。そのまま、ほんのり歯を立てる。“カ…

新宿-飯テロ黙示録・後編

空気が一瞬で静止した。呼吸の音さえ消え、音がないことが音のように響く。マカの声がその中心に沈む。魔法陣の中心からレモンイエローの雷光が弾け、空気を焼くように走る。ビルのガラスが反射して、新宿全体が昼のように光った。「——召喚!!」世界が裂け…

冥界-エーリュ―ズニル編

氷の中庭に、再び静けさが降りた。「世界」をテーマにした最終勝負。氷華鏡(ミラージュ・ペタル)と大いなる火(ムスペル・フレア)――それはもはや芸術を超えた、創造と終焉の儀式だった。そして今、冥界史上もっとも恐ろしい時間――採点タイムが始まろう…

冥界-ニヴルヘイム編

門を抜けた瞬間、世界は白銀に染まった。地面は凍てついた大理石。表面に、まるで白薔薇が咲いたような霜が広がっている。空気は薄く、息をすればすぐに白く変わる。中央に、一輪の氷の薔薇。生命の気配などないのに、その花だけはまるで呼吸をしているようだ…

新宿-飯テロ黙示録

ザザッ…ガガッ…闇に沈むビルの一角で、くたびれた古いテレビが唐突に唸り声を上げる。アンテナの先端から青白いスパーク、ブラウン管には無数のノイズが這い回る。画面いっぱいに、ぼやけた「ヒル◯ンデス」風のロゴ。この時代に、そのロゴを見る者がどれほ…

冥界-死京編

世界は一度、火に焼かれて灰となった。だが滅びきれなかった人々は、今年もまた“死者を迎える祭り”を始める。それは、亡き者を忘れぬための祈り。同時に「いずれ自分も、そちらへ還る」という、ささやかな覚悟の儀式だった。-----盆の築地。路地裏まで…

冥界-ネム編

魔界の怠惰界にある格安アパート・シャドウヒル荘。家賃は安いが、天井の配管から定期的にスライムが落ちる。それでもポータルまで徒歩五分という好立地のため、勇者ズの拠点として重宝されていた。その朝、サタヌスは寝癖も直さず出かけた。理由は単純──「…

トウキョウ物語-銀座編

銀座-腐ったメロンを添えて高級ブランドの残骸が風に吹かれて舞う、終末の銀座。崩れたシャネルの看板をくぐり抜け、サタヌスとプルトが並んで歩く。通り沿いの残骸から突き出た看板には、こう書かれていた。「季節限定:プレミアムメロンパフェ ¥32,0…

トウキョウ物語-中野/新大久保/渋谷編

中野-∞番出口終末のトウキョウ。コンクリートは崩れ、ネオンは死に、ビルの骨組みだけが風に鳴く。そんな廃都の交差点に――なぜか、まだ立ってる。忠犬ハント公(Hunter-H)像。犬だ。いや、犬“だった”何か。コバルトの風化塗装、片目には銃弾の…

トウキョウ物語・港区/浅草/築地編

港区 ― キラキラの残骸かつて“港区女子”たちがタワマンから自撮りを投稿し、「うちら最強♡」とSNSを支配していたキラキラの街。──今やその一帯は核で消し飛んだ。高層タワーは傾き、街は骨と花火と瓦礫の街へと変貌。だが、不思議なことにまだキラ…

ゼルノバ・バイオ編-爆破オチは最高

ゼルノバ社・本社ビル。ピカピカの大理石ロビー、しかし入って早々、AI自動音声が高らかに叫ぶ。「ご来訪ありがとうございます。当社はウイルスゼロの完全防疫施設です。入館の皆様には滅菌シャワーをご用意しております」疑いの目を向けつつも、PT一行は…

ゼルノバ・バイオ編-恋は死んでもできるよ♡

グラットンバレーの荒野に、世紀末サバイバーどもが噂する伝説の“カラオケ”施設があるその名も「イケニエ」。「マイクを握れば、どんなに叫んでも怒られない。しかも飲み放題、歌い放題、魂ごとぶっ放してOK――まさに夢の楽園!」……だが、噂の裏には“…