Town-街 - 2/2

トレモレイン(TREMORAIN)

大災害後も稼働を続けた「鉄道自律運行AIシステム」が暴走し。
都市ごとレールと融合した鋼鉄の迷宮都市。常に地響きと警笛が鳴り響く街。
鉄道マニア、技術者、スチーム系魔族たちが集まり、独自の鉄路国家を形成している。
全域が線路網とホームで構成され、建物は改札や貨物コンテナの延長にある。

通貨は「パスチケット」や「レールレリック」と呼ばれる切符型金属プレート。
車両型の住居、プラットフォーム市、構内コンサートなど、生活圏すら列車依存。
地下には無限延伸する“黒鉄トンネル”があり、迷えば生きて帰れない。
地上部には魔改造新幹線や“生きてるSL”が走り、移動も戦闘も列車上が基本。
鉄ヲタにとっては終末最後の楽園、他の人種にとっては騒音地獄

車掌型魔族や車内精霊が“駅務員”として生活しており、独特の敬語文化を持つ。
車両バトル、時刻表デュエル、終電サバイバルなど鉄道特化イベントが盛ん。
運行系統図が宗教化しており、「ダイヤの乱れ」は“世界の終わり”とされることも。
すべてが走り続ける都市──それが、鉄と夢と暴走の街・トレモレイン

シュール村「ヒューマンタウン(仮)」

魔王軍の旧占領地を改築してできた、奇妙すぎる“人間風”集落。
地名の「(仮)」までが正式名称。本人たちは真面目にそう呼んでいる。
住人の大半は魔族や魔界出身者だが、なぜか人間のフリをして暮らしている
しかも“人間”のイメージがズレており、昭和テレビや古いポスターに影響されてる。

住人たちは「会社員」「主婦」「幼稚園児」「町内会会長」などのロールプレイに全力。
だが町に実際の会社も学校も役所も存在しない。全て“気持ち”で成立している。
代表的な施設は「役場っぽい石」や「スーパーっぽい土の山」など、完全に幻覚。
食料は普通に魔界流通から仕入れてるが、家庭菜園で採れた設定で提供。

魔界の教育番組を見て育った子供魔族が謎の道徳観を披露してくる(怖い)。
よそ者を見つけると「観光客だ!人間だ!」と歓迎するが、最後はなぜか同化を迫られる
人間文化を独自解釈した“盆踊りなのにガチ格闘技”などの行事もある。

魔王軍は撤退後「ここは手出し無用」として放置している。
魔族の子供が「将来の夢は駅員さんです!駅はないけど!」と笑顔で語るのが地味に怖い。
シュールな魅力に満ちた村、それが──ヒューマンタウン(仮)

アタリパラダイス

無数の電波塔とアンテナが密集する電波集落
町の全域に「健康・笑顔・毎日がラジオ体操!」のスローガンが響き渡る。
住民は毎朝6時、強制ラジオ体操で一糸乱れぬ動きを見せる。
音源の出どころは不明。誰も止め方を知らない。

テレビは全て廃品、だがなぜか全台電源が入りっぱなし
放送内容はノイズ、カラーバー、ダンス映像、時々「幸福映像」
街中に貼られる「本日の健康スコア」──数値が低いと自宅のTVがザラつく。
夜になると、誰が電気つけてるのかわからない家々に灯りが点く

黒猫だけが自由に歩き回り、電波塔の上で何かを“受信”している。
中心には“主電波塔”がそびえ、日没と共に赤く脈動する。
住民の言動は丁寧で親切、だがどこか同じ台詞を繰り返している。
一度だけ“体操拒否者”が現れたが、翌日には「ずっとここに住みたかった」と復帰。

外界から来た旅人は3日目で「やっぱここが一番平和だね」と笑うようになる。
町の入り口に掲げられた看板:「ラジオ体操 及標準幸福指導地区」
アタリパラダイスに、終末は来ない。なぜなら“幸福は既に達成されている”からだ。

■スコープキトン

旧・筑波研究都市の跡地に形成された、猫主導型コミュニティ
名称は「Scope(視野・観測)」+「Kitten(子猫)」を魔界語風に組み合わせたもの。
大災害時、筑波の避難民が猫と共に過ごすことで心を保ったという実話がベース。
猫たちは高性能AI施設に住み着き、そのまま“観測補助員”扱いで登録されるように。

今や猫用宇宙服をまとった個体「スコープキトン」は、町を象徴する“公共知性”扱い。
研究所跡には猫専用の通路・天窓・専用バスまで整備されている。
魔界人たちの間では「癒しと知性が共存する聖地」として旅行先ランキング上位常連。

旧・JAXA跡では現在も猫による“観測行動”が継続中。解析されたデータは謎に有用。
“猫が見てる天体は魔界とつながっている”という民間信仰もある。
地元民は猫に敬語を使う。「お疲れ様です、観測お終いですか?」が日常会話。

地球最後の理性と癒しが猫だった──それが、スコープキトン

スノーベリル “南国リゾートの残骸”

かつて温泉リゾート地として名を馳せた旧・熱海エリアが起源。
大災害後、突如として異常寒冷化&永久降雪地帯へと変貌。
町全体が“雪国”として再起を図ったが、住民の誰も雪への耐性がない。
とはいえ観光魂は健在で、元ホテル勢が中心となって即座に雪リゾート化に着手。

名前の「スノーベリル」は雪と宝石の合成語、ちょっとセレブな響きを狙っている。
ただし町民は今も「こたつで温泉たまご食いてえ」とつぶやいている。
夏の時期になると「夏でも涼しい!氷の街で納涼を♪」のポスターが貼られる(真顔で)。

中心街はアイススケートリンクを兼ねた商店街、“冬でも活気”を演出。
リゾートの名残でオシャレなホテル跡や謎の温泉神殿も点在している。
魔界からの観光客にも「逆にレア」と人気で、“寒くて笑える観光地”扱い。
住民たちは寒さに文句を言いつつも、適応力だけは異常に高い

湯けむりの代わりに“雪煙”が舞う露天風呂は名物となっている。
夜はイルミネーション風の氷魔法で街が飾られ、インスタ映えするらしい(魔界基準で)。
滅んだリゾートが雪の中で商魂燃やす街──それがスノーベリル。

砂漠化した元・映画村「シネマラスト」

旧「京」の外れに位置する映画撮影村の廃墟跡を中心にできた終末都市。
モデルは東映太秦映画村──時代劇・西部劇・特撮の名ロケ地だった場所。
大災害で京都全域が無人化した中、ここは“舞台装置ごと”残った

奈落の底と砂に沈みながらも、町並みやセットが奇跡的に保存されている。
時代劇の町人長屋や江戸城の門、西部劇の保安官事務所などが実寸でゴロゴロしてる。
魔界や人間界の映画マニアたちから「ここを訪れずして終末を語るな」と称される聖地。

名物は“ラストシーン巡礼”──実際に映画のクライマックスが撮られた場所を辿るツアー。
一部ではフィルムに魂を抜かれる呪いや「回し続けるカメラ」の都市伝説も。
“監督の霊”や“セリフを呟くゾンビ役者”など、撮影現場怪異も観光資源として人気。
シネマラスト最大の建造物は“終末の銀幕館”──かつてのメインシアターを改造したホール。
内部では、最後に上映されたフィルムがずっとリピート再生され続けている

全体が“風に吹かれるセット”みたいな町並みで、何もかもが画になりすぎる。
世界が滅びてもカメラは回り続ける──ここが、終末のラストシーン「シネマラスト」

◆名所

江戸残影区(えどざんえいく)

シネマラスト内・旧時代劇エリア
元は東映太秦映画村の江戸セットだった区域で、今は砂漠化・風化によって半壊。
長屋、番所、茶屋、橋などが風に磨かれて朽ちかけながらも輪郭を保っている
特に夕焼けの時間帯は「死にかけた時代劇」のような絵になり、観光客に大人気。

たまに砂の中から“未使用の台本”や“撮影予定だった小道具”が出土するという伝説も。
その美しさと空虚さを評して「江戸は燃えずに、風に還った」と呼ばれている。

ジオ・ミハル(Geo Miharu)

旧・箱根〜御殿場にまたがる高原農業+地熱温泉の町
高台の展望台からは大体噴火してる富士山が一望でき、火山学者と観光客の聖地。

「今日の火口占い」や「噴火カレンダー」など、地元情報の基準は火山次第。
火山灰と温泉蒸気が舞う中、野菜・ハーブ・卵・キノコ類の栽培が盛ん
養鶏も名物で、特に「魔力たまご」は魔界人観光客に人気。
地熱発電×温泉暖房によってインフラは意外と安定している。

町には火山観測塔がいくつもあり、住民の8割が“観測系サブジョブ”持ち。
魔界の学生はここで地質学研修を受けるのが通過儀礼とされている。
「火山を眺めながら温泉に入る」という業火リラクゼーションがウリ。
街の至る所に“非常用ゴンドラ”があり、噴火時はみんなで避難ごっこを楽しむ。

山小屋はだいたいサウナ兼溶岩バリア施設になっている。
夜には富士山の火口が“赤く光るアート”とされ、インスタ映え名所に。
とはいえ住民は基本のんびり。「まぁ噴火してるくらいが、富士山らしいよね」
終末に咲いた奇跡の高原郷──それが、ジオ・ミハル